今日、NHKで、
蜷川さんが去年の春ぐらいに立ち上げた、55才以上限定の劇団の、稽古風景と公演の様子を放映していて。
これってやっぱ、「わがまま言える」っていうカタチのひとつなんだよなぁ、と思って。
もちろん最初は、個々に稽古代みたいなのが掛かってたみたいなんだけど、
公演をやり終えて、「これからは、皆さん、お金を出さなくても稽古が出来ます」みたいなことを、蜷川さんが言ってて。
たぶん、埼玉の財団法人の支援を得てやってるんだろうけど、
何も実績のない、しかも素人に近い、年齢もかなり上の方々が劇団をやります、って言ったって、
普通は、やらせてくれないと思う。
蜷川さんが、やるから。
だから、だよねぇ・・。
それは、蜷川さんの実績から来ていて、でも、今回公演をしたことで、劇団の実績が出来た。
そして、劇団の実績が出来たことで、彼らは、まぁ簡単に言ってしまえば、
“研究生”から“劇団員”になった、と言うこと。
そうやって、1つ1つ積み重ねていくことで、次につながるんだよなぁ・・と思って。
・・なんかね、やっぱ、体力とか体調とか、若い頃のようにはいかないんだけど。
60とか70才になって、同じくらいの年齢の人に、「違う!」とか言われるのって、結構キツいと思うんだけど。
それでも、頑張ってるんだよね。
台詞を何回も何回も、声に出したり、書き留めてみたり。
何か目標を持って、それに向かってみんなで創りあげて行く喜びとか、
出来なかったり解らなかったりする自分への苛立ちとか。
で、公演が終わった後の達成感とか。
決して遊びではない、プロとしての誇りと使命感とか。
そういうのが伝わって、いいなぁ・・・、と。
で、ね。
結局、実績なのね。
口だけの理想論じゃダメなの。
こうしたい、ああしたい、だけなら、私でも言える。
別に、蜷川さんは、そういう劇団を作るためだけに、実績を作ってきたワケじゃないけど。
こういうカタチも面白いんじゃないか、って考えた時に、それを実行出来るだけの、能力と実績があるって、ものすごい強みなんだよね。
政治家もさ、選挙の時ばっか頑張るんじゃなくて、公約ばっか立派なんじゃなくて、
何の補償もない立ち位置から、1つ1つ積み上げて行くような活動をしてれば、
支持なんて後から付いてくると思うんだけど、ね。
・・、ダメだ、言葉がマイナスに傾きそう。
 
こういう文章を書く時、嫌いなことが2つあって。
ひとつは、評論すること。
もうひとつは、他を下げることで自分を上げること。
それは、したくないし、やってきてないと思うんだけど。
なんか、評論めいたほうに傾きかけたりすることもあって。
うげ。ヤバ。・・とか思ったりして。
出来れば、他者を否定することで、自分を確認するのは避けたいんだけど、
時に、消去法も要ることもあるし。
でもね、出来るなら、厳選して残ったものを選ぶんじゃなくて、
最初っから「これが好き!」って選びたい。
・・と、思ってます。はい。