偏西風


さてさて。
昨日はまた、『ビューティフル・ゲーム』を観に行ってきました。
今回は一階席の真ん中辺りだったので、前回よりもずっと、舞台に近かったんですけど、
一階と二階の違いって、“ニオイ”なんじゃないかなって思いました。
なんかね、違う空気のニオイがするの。
ほんの数メートル先に、全く違う世界が存在してる、っていう“ニオイ”。
でね、昨日は、一階席だったせいもあるのかもしれないけど、ホントにすごく、伝わるものが大きくて。
特に、ジョンの気持ちや価値観の変化がすごく感じられて。
歌もね、歌ってるっていうより、話してるカンジに近くて。
言葉が流れずに、立ってるなぁ、って思いました。
だいぶ、台詞も音楽も、体に浸透してきてるんでしょうね。
ジョンは、自分の友達の死をきっかけに、“サッカーがあればいい”っていう気持ちが、少しずつ変化し始めて、
やがて、戦争の余波は、彼からサッカーまでも奪ってしまう。
刑務所に入り、周りの影響を受け、“サッカーよりも優先すべきもの”が心を占めた時、
彼は本来の彼自身すらも、「思想と正義」という名のもとに、自分の中に押し込めてしまいそうになる。
でも、サッカーの大会で優勝した時の写真を見て、
本当に大切なものを思い出す。
ジョンは、本当は優しい人で。
例え戦争という大義名分があろうとも、他人を傷付けるようなことは望んでなくて。
そういう所に、たぶんメアリは惹かれたんでしょうね。
少し頼りないけど、サッカーに夢中な、お人良しなジョン。
今ね、ジョンとメアリの結婚式の夜の歌が、アタマの中でぐるぐるしてます。(笑)
なんか、甘くて優しくて、ちょっと不安なカンジとか、すごく可愛い歌なんですよね。
これ、譜面欲しいなぁ・・。
歌ってると、すごく、優しくなれる曲。
そう言えば、ジョンを演ってる時の櫻井くんって、全然カッコ良くないんですよね。(笑)
それって、アイドルとしての“櫻井翔”を、全部取り払ったとこで、ジョンになってるってことで。
トニーの時はね、カッコ良かったの。
それは、トニーってやっぱり、ジェッツの中心核だった人だから、激しさとか持ってるわけで、
そういう鋭さって、カッコイイじゃないですか。
でも、ジョンって、ホントにサッカー馬鹿って言うか。
練習中でも女の子に見とれちゃったりとかもして。
トレンチコート着て拳銃持っても、やっぱり輪郭がやわらかくて。
コンサートで同じカッコしたら、たぶんものすごくカッコイイんでしょうケドね。
なんか、だから、そういうジョンとか、ホントなら平和に暮らしていけたはずの、彼の友達とか、
少しずつ戦争に巻き込まれて行ってしまうことが、すごく悲しくて。
観る毎に、感じたり思ったりすることが増えていくな、って。
うん。そんなカンジです。