でも、愛してる

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昨日は、『ビューティフル・ゲーム』の東京千龝楽に行ってきました。
でね、今さらながらに思ったのが、
「でも、愛してる」って台詞が、この作品のテーマなんじゃないかって。
ラスト近くで、ジョンは、人を殺すことを使命として、メアリの元を去ろうとする。
その事を告げた時、メアリに言われるんですね。
「嫌いよ。大嫌い!・・でも、愛してる。」
付き合い始める前の「♪うんざり、大嫌い♪」って歌詞は、ちょっと意地をはってるだけだって感じるけど、
この時は、ジョンは本当に、彼女の「嫌い」って言葉に傷付いて、でも、それは当然だとも思っている。
何故なら、自分は、彼女が最も嫌う“人殺し”になろうとしてるから。
でも、それでも、「でも、愛してる」って言葉に救われて。
そして、トーマスを撃とうとした時に、思い出す。
彼は昔、無二の親友だったこと。
そして、この争いの犠牲になったジンジャーもまた、それでも人を愛したいと願う人間であったこと。
「俺は、今のお前なら撃てる。でも、昔のお前は撃てない。俺達、親友だったから。一緒にサッカーやってたから。」
終わりのない憎しみよりも、自分の内にある、捨て切れない愛情を信じることを選んだジョン。
この作品が、世界中で起こっている争いの縮図のようなものであるなら、
「でも、愛してる」って想いは、そこに確かに存在する“希望”なのだと、
最後に、伝えているんじゃないか、って、そんな風に感じました。