Feel

球状の光



今日ね。NHKかなんかで、ピアノのレッスンみたいなのをやってたんですよ。
フィリップ・アントルモンって人が教えてて、女性のピアニストらしき人が習ってたんですけど、
もうね、アントルモン氏のピアノって音が違うの。
まぁるくて、弾力があって、1つ1つの音が独立してて、厚みと深みがある。
教わってる女性も、もちろんテクニック的には巧いんだけど、
やっぱりアントルモン氏と比べると、音が薄くて、色味に欠けると言うか・・。
聴いてて、すごいなぁとは思うんだけど、ずっと聴いていたいとは思わないと言うか。
日本人って結構、Allテクニック・Noミュージックみたいなことを言われたりすることが多くて、
それってこういうことなんだろうなぁって思ったりもしました。
プロのオケでコンバスやってる人が、日本のオケの人達とはやっても楽しくない、みたいなことを言ってたんですけど、
やっぱり、身体の中に音楽が浸透してるか否かっていうことが、ハッキリとした違いなんじゃないかなって。
音楽の感じ方みたいなもの、かな。
例えば、クラシックバレエを踊る時の、音楽の感じ方っていうのは、口で説明するのはすごく難しくって、
それはもう、見て、感じて、自分で踊ってみるしかないわけで、
そういう、感覚みたいなものを、本当は親とか学校とかがもっと、学ばせる時間を取らなきゃいけないんじゃないかって、私は思うんですけどね。
経験とか体験って、生きてく上での一つの指針みたいなものだし、
そういうものを学ばずに成長してしまうと、他人の痛みとか、考え方の違いとか、理解も許容も出来ない大人になっていってしまうんじゃないかって、思います。
最近、“Feel”って感覚、だんだんなくなってしまってる気がする。
手触りだったり、深く考えることだったり。
そういう、人として生まれてきたことの幸福感とせつなさみたいなものを感じられる人生であれたらいいなぁ、と。
そんな風に、思います。