交錯する感情と、その行く先


ボイスレコーダー」という番組を見ていたのだけれど、途中で辛くてやめてしまった。
人の感情が辛かった。
演じている人は、決して当事者ではない。
けれど、どうしようもなく伝わる感情の波が、私の中に押し寄せる。
当たり前にあったものが、突然失くなってしまう、悲しみ。
絶え間なく押し寄せる感情の波、波。
理屈や言葉では表すことの出来ない喪失感。
不安。疑問。焦燥感。空虚。
強さ。弱さ。
関係のない人間の、興味本位の、正義感。


遺族なら、わかる。
ぶつけるあてのない、怒り、悲しみ。
だけど、当事者ではない人間が、何故、責めるのか。
「当然の正義感」など、ありはしないのに。
言論の自由”という言葉を盾に、人を傷つけ、審判者を気取る。人間。


・・怖いですよ。すごく怖い。
そんな人間という生き物が、ものすごく、怖い。
仮面のような、真っ白な正義感なんて、殺意よりもっと怖ろしい。
しかも、そこに信念めいたものすらある。
宗教的犯罪とイコールですらあるような、途轍もない、恐怖。


・・・それでも、現実に目を向け、自分の感情と向き合わなければ。
そう、私もまた、人間であるから。
正しいものなど、有りはしない。
けれど、多数が正解だなんてことはない。
向き合わなければ。 目を逸らすことなく。
人は、強さも弱さも、同じだけ持っているのだから。


『思い出すのは辛いけれど、忘れられるのはもっと辛い。』


その言葉の重さを、私は、
考え、心に刻まなければ。