fermata

何も考えずに
音で身体を満たすというのは
幸せなことだな と、

せんくらで福間さんのピアノを聴いてきて
思ったのでした。

細胞まで浸透する音楽は
かつて自分が なんの思考もない生物であったかのように
ただ 深く深く
生への渇望へと活性する

人として 生きている今を
少し現実感なく 浮遊して
やがて 生き行くことの幸運と幸福に
我に返る時
大丈夫 まだ大丈夫 と
そして 未来は ほんの少し先にあるのだと

ポーンと響く1音のように
いつくしむように
やがて訪れる静寂を待ちわびるように
わたしは
今この時を生きてゆこう