静かなる深淵


二宮和也という人物は、不可思議だ。
アイドルという域にいるのは勿体ない気もするし、
アイドルでいるからこそ、何ものにも括られずに居られるのかもしれないとも思う。
自らの心の淵を魅せていける機会と場所に、あまりにも当たり前に存在してしまうので、
ともすると、その稀少さを見過ごしそうになってしまうけれど、
あるいはおそらく、複雑になればなるほど、その深い色味のままに、体現出来る役者なのかもしれない。