主演の2人は、若いけれど、とてもパワーと魅力にあふれていて、
最後までお芝居全体を引っ張っていっていました。
鈴木杏ちゃんは、とても通る声で、初々しいジュリエットを可憐に演じていたし、
藤原竜也くんは、舞台を余すところなく使い切って、体全部を使って、
ロミオの喜びや悲しみを表現していました。
この作品は、主役の2人が嘘がなく純粋で、
その感情に観客が味方してしまうことで、成り立つ悲劇だと思うので、
2人の真っ直ぐな惹かれ合いと、その幼さ故の真剣さを、
きちんと伝えられるだけの魅力と技量と説得力を必要とされる、
とてもハードルの高いものだと思います。
そういう作品を、その重みに負けることなく演じた2人は素晴らしく、
その力を引き出した蜷川さんもまた、素晴らしい演出家だと思いました。